セブン、宅配を外部委託 セイノーから配達員
皆さん、こんにちは。4月14日の日経新聞に次のような記事が掲載されていました。
「小売り大手が宅配網のてこ入れに乗り出す。セブン―イレブン・ジャパンはセイノーホールディングス(HD)と提携。セイノーHDがコンビニエンスストアに配達員を送り、宅配を代行する。ニトリホールディングスは家具を運ぶ提携運送会社向けにトラックを割安に貸し出す。流通業の代表企業が物流の末端まで支援しなければならないほど人手不足が深刻化している。
資本力のある大手が先行して配達員の確保策を進めることで、人材獲得競争が一段と過熱する可能性がある。
セブンは弁当を中心にコンビニで購入した商品を店員が自宅まで届ける宅配サービス「セブンミール」を全店の7割超の約1万5千店で展開する。店員は接客なども担うため、多くの店では十分な人手を割けなかった。セブンイレブンの各店舗は個人事業主の経営が多く、採用力にも限界があった。
セイノーHDはセブンの宅配を代行する全額出資子会社を設立、5月から本格稼働する。まず約100人の配達員をそろえ、広島県など1都7県の約150店を担当する。将来は全国に広げる方針だ。
セイノーHDは接客や運転技能に関する社内検定に合格した人のみを派遣する。商品は軽トラックで運ぶが、運転免許以外の資格は必要なく、担当も自宅に近いエリアに限られるため、比較的、配達員も集めやすいとみられる。主婦など女性を積極的に活用する。
セブンはセイノーHDに宅配を委託することで配達の頻度を増やせる。5店舗で試行したところ、利用金額は10倍に増えた。関連コストは増える見込みだが、メリットの方が大きいと判断した。
セブンミールは500円以上の商品を購入した場合の送料は無料で、今後も料金は変更しない。セブンミールの売上高は2017年2月期で266億円。全売上高の1%にも満たないが、高齢者や女性向けに潜在需要は大きいと見込む。
ニトリHDは20年までをメドに2トンと10トンのトラックを計1200台購入し、家具を運ぶ約100社の提携運送会社向けに割安に貸し出す。月々のリース料は通常に比べ少なくとも1割程度(数万円相当)抑えることができるとみられる。運送会社の負担を抑え、運転手の人件費確保などにつなげる。小売企業が配送網維持のために、車両のリースまで手がけるのは珍しい。
労働人口の減少で人材は建設や小売りなど各業界をまたいで取り合いになっており、トラック運転手は確保しづらい。求職者1人当たりにどれだけ求人件数があるかを示す有効求人倍率は16年に2.33倍で前年比0.27ポイント上昇した。運送会社が運転手不足を理由に荷物の引き受けを断るケースも出ている。
国土交通省によると16年の宅配便は前年比6%増の約38億7000万個となり、6年連続で過去最高を更新した。インターネット通販の荷物の増加が止まらず、宅配会社はサービスの維持が難しくなっている。」
物流業界が直面している問題を物流業界だけの問題と考えるのではなく、自分たち(小売業)の問題でもあると捉えて一緒になって考えていただけていることがわかる非常に良い記事だなと思いました。
前回のブログでも書きましたが、物流業界のリスクを社会全体で負う、もしくは全体で考えていただけることによって色々なアイディアが生まれ、またそこに新たな需要が生まれてくるといった素晴らしい流れができるかもしれません。
今回の記事の取り組みの今後が非常に楽しみですね。