アマゾン宅配急増、ヤマトに集中 「今の荷物量、無理」
皆さん、こんにちは。2月24日の朝日新聞デジタルに次のような記事が掲載されていました。
宅配便最大手のヤマト運輸の労働組合が今春闘で、荷物の取扱量の抑制を要求した。インターネット通販の普及と人手不足でドライバーなどの労働環境が厳しくなっているため。経営側も協議に応じる構えで、収益減につながるテーマを労使で話し合う異例の事態となっている。宅配の現場に何が起きているのか。
2月中旬、東京・銀座のヤマト運輸の本社会議室に経営陣と労働組合の幹部が集まった。今年の春闘交渉の幕開けとなる会合だ。
「いまの荷物量は無理があります」。労組の片山康夫・中央書記長が切り出した。同社の春闘で「荷物量」をテーマにするのは初めてのこと。受け取る荷物の量を抑えてほしいとのメッセージに、長尾裕社長は「対策は打っていく」と応じた。再配達や夜間の時間指定配達など、ドライバーの負担が重いサービスの見直しに着手するとみられる。
ヤマトは宅配市場の5割近くを握る最大手。2016年度の荷物量は前年度比8%増の18億7千万個になる見通し。ネット通販の普及で荷物量は右肩上がりに増えていて、5年前と比べると3割増。スマートフォンの普及を背景にネット通販はさらに拡大しそうで、伸びは収まりそうにない。
「扱う荷物の4割ぐらいをアマゾンの段ボールが占めている感じ。ほかにもゾゾタウンやアスクルなどネット通販の荷物が目立って増えているが、今一番困らされているのはアマゾン」。都内を担当する30代のドライバーは打ち明ける。
業界2位の佐川急便が数年前、利幅の薄い荷物は引き受けない戦略に切り替え、ネット通販大手アマゾンの荷物がヤマトに流れてきた。佐川の親しいドライバーから「配達する数が少なくなって楽になった」と聞いた。結果として、ヤマトの現場にしわ寄せが来ているようだ。
荷物量が増えすぎていると、一見ヤマトさんからすると嬉しい悲鳴のようにきこえるのですが、そんな次元を通り越して非常に深刻な問題となっているようです。
アマゾンを始めとして最近は当日配送を売りにしている業者が多く、これが宅配業者の負担を多くさせているようです。
ここ数年、爆発的にインターネット通販の普及が拡がり、中でもアマゾンさんの占める割合がヤマトさん全体の5割と上記で述べられていますが、ヤマトさんは宅配市場の5割近くを握る最大手ということですから、日本の宅配市場の4分の1がアマゾンさんの荷物ということになります。
たった一社の会社が全体の4分の1をしめるというのは他の業種を見渡してもなかなか例を見ない状況ではないでしょうか。
確かに消費者の立場からするとアマゾンさんのサービスは便利で我々消費者のかゆい所に手が届くサービスで顧客満足度も非常に高いものだと思います。
しかし、その便利さや安さを消費者が選ぶことによって、配送をしている業者さんが負担を強いられているのが現状です。
企業として利益を上げていくことはとても重要な事だと思いますが、一方で配送の現場では配達の限界を超え、疲弊するようなことが起きています。
佐川さんは事実、この価格競争から降り、ヤマトさんにそのしわ寄せがきているとのことで、ヤマトさんが手をひくようなことになれば荷物の行先はどうなるのでしょうか。
アマゾンさんの宅配は事実上、ヤマトさんの一極になっており、今後も荷物が増え続けるようなことになれば、ドライバーさんをほとんど正社員で抱えているヤマトさんの負担は際限なく膨らみ続けてしまいます。
配達業者さんばかりに負担を強いるのではなく、お互いが歩み寄るような解決策が必要だと思います。
例えば、不在持ち帰りをして再配達をする場合には別途料金を頂くとか、また再配達が必要にならない宅配ボックスの設置などです。
日本はこれから更に高齢化社会が進みネット通販の需要は更に伸び、宅配が生活のインフラになっていくでしょう。
しかし、宅配の現場ではこのような問題が起きているということを認識し、消費者一人一人がこの問題と向き合っていく必要があるのではと思いました。