日通とアマゾン、貨物集約で安く輸出 中小企業向け
皆さん、こんにちは。5月28日の日経新聞に次の様な記事が掲載されていました。
「日本通運、インターネット通販の米アマゾン・ドット・コムが中小企業の米国向け輸出を支援する。日通が複数企業の商品を集約、一括して通関手続きと輸送を実施し、商品はアマゾンの通販ルートで売り込む。流通コストは最大3分の1に抑える。人材や貿易リスクで慎重になりがちな中小企業の輸出を流通面から支える官民の取り組みが始まる。
この事業は経済産業省が主導し、日通や日系商社が参画して6月に発足する「海外展開ハイウェイ」の初事業となる見通し。まず米国で食器や文房具などの販売を想定し、衣類や家具、食品など取扱商品や対象企業を随時広げる。
軌道に乗ればアジアや欧州でも展開する。経産省は他の物流企業や大手百貨店、商社にも新会社設立を呼びかけ、政府系ファンドの支援も検討する。
米国向けでは、輸出を希望する中小は日通が担うハイウェイの窓口に申し込む。アマゾンが許可すれば、輸送などの諸費用を支払う。商品は日通が持つ国内の倉庫に集約した上で、一括して通関などの手続きを行う。
商品は米国に到着後、日通やアマゾンの倉庫に保管する。米国に在庫があるため、消費者が通販で注文すれば数日で商品を届けられるという。注文を受けた後に日本から発送すれば1週間以上かかるケースもあり、商品競争力も高まるという。
中小が単独で輸出する場合、自社で物流コストを負担する必要があるほか、輸出代理店や海外の輸入代理店、小売店などが間に入ることもあり、費用がかさみがちだ。経産省の試算によると、販売価格が100ドルの商品の場合、中小単独で流通企業に売った際に手数料などを差し引いて手元に残るのは20~25ドルだが、今回の取り組みでは65~75ドルを見込めるという。
貿易事務の煩雑な手続きを行う必要もあり、人材やノウハウが不足しがちな中小企業にとって負担は大きい。中小企業の海外輸出が進まない要因となっていた。流通大手の連携で海外市場への参入を容易にする。
ただ、日通やアマゾンは中小の商品を買い取らないため、売れ残った場合は中小側がリスクを負う。アマゾンの販売期間は1年で、米国の倉庫にある商品が売れ残れば、日通かアマゾンが原則として廃棄する。中小側が期間の延長や、商品を日本に戻したい場合、追加料金を支払う必要がある。参入企業は米国市場のニーズをふまえた商品投入が求められる。」
この取り組みは中小企業にとって、海外進出の大きなチャンスになるのではないでしょうか。
中小企業が単体で商品を輸出する際にかかるコストを、上記では3分の1程に抑えられるというのですから、非常に魅力的です。
海外進出の経験がない企業からすると、どうしたら海外に商品を売り込めるのか、全くわからなく手探り状態で、貿易事務の手続きから販売ルートの確保等、やらなければいけないことが非常に多いように思います。
しかし、今回の取り組みを活用することによって、そういった悩みは大分解消され、今まで海外進出を考えていたがなかなかハードルが高く、足踏みをされていた中小企業の方達は、これを機会に自社の商品を海外に売り込もうと考えるようになるのではないでしょうか。
上記でも述べていますが、この取り組みに全くリスクがないかといったら、そうではありませんがチャレンジする価値は大いにあるように思います。
大手企業と中小企業の差をこういった形で埋め、大企業だから商品が売れる、中小企業だから商品が売れないのではなく、良い商品だから売れる、悪い商品だから売れないといった本当の意味でのフェアな競争ができる場をつくっていただけたら、この取り組みも非常に意味のあるものになるはずです。
またmade in Japanの優れた商品が世界での販路を拡大する大きなチャンスになっていただけたら、よりおもしろくなりそうですね。