アスクル、アマゾン独占を阻む一手
皆さん、こんにちは。7月18日の日経新聞に次のような記事が掲載されていました。
「倉庫火災で打撃を受けたオフィス用品通販大手、アスクルがひるまず“打倒アマゾン”に動いた。6日、セブン&アイ・ホールディングスとネット通販で提携すると発表した。小売りの巨人との組み合わせに市場関係者は驚いたものの、食料品の品ぞろえと宅配網という相互を補完する提携効果は大きいとの指摘は多い。国内の食料品の市場規模は60兆円規模とはいえ、電子商取引(EC)の利用はまだ少ない。米アマゾン・ドット・コムも参入済みの有望市場を巡る競争は白熱しそうだ。
アスクルの強みは、個人向け通販「ロハコ」のために構築した東京都と大阪府内の一部で配達時間を1時間単位で指定できるきめ細かい配送網だ。ロハコでは食料品の品ぞろえは少ない。一方、セブンは配送網の整備が不十分で利用者の希望通りの時間に配達できないこともあるという。ドイツ証券の風早隆弘シニアアナリストは「両社にマイナス要素が少ない提携」と評価する。
食料品のEC市場はアマゾンをはじめ、イオンや西友などの小売店、ネット専業のオイシックスドット大地など多くの企業が参入している。だが、まだ「勝ち組」といえる企業はない。アスクルによると1時間単位で配達時間を指定できる仕組みはまだ他社には無いとみられ、IYフレッシュが存在感を示せる可能性は十分にある。
経済産業省によると、16年度で60兆円規模に上る国内の食料品(食品、飲料、酒類)の市場全体でEC利用は2%の1兆4500億円にとどまる。食品スーパーやコンビニなどの店舗が集積し利便性が高いためとみられるが、高齢化や共働き世帯の増加などを考えれば、この分野でのECの成長期待は高い。
存在感を増すアマゾンに対し、岩田彰一郎社長は「世の中にアマゾンだけ存在するのは良くない」とライバル心をむき出しにする。両社は食料品のネット通販にとどまらず、物流やECサイトの共同運営など提携拡大を検討するという。次の一手に注目だ。」
セブン&アイの生鮮品などのノウハウと、アスクルのECサイト、物流システムを組み合わせ、お互いの強みを最大限活かせる提携ですね。
自前にこだわって、不足している部分を補おうとすれば、ノウハウもなければ、コストもかかり、何より時間がかかってしまいます。
そういったデメリットを無くすためにも、こういったお互いの強みを活かせ合える提携は非常に素晴らしいことではないでしょうか。
更に食料品のEC市場はまだまだ成長する見込みの高い分野であり、今の日本の高齢化や共働き世帯の増加を考えれば必要不可欠な市場となるのは目に見えています。
後は両社がどのようにしてお互いの強みを活かしながら市場のインフラを整備していくのか、非常に楽しみです。
そして、大きな市場が生まれればそこからまた新しいサービスもきっと生れてくるはずですので、そちらの副産物的なものにも注目していきたいですね。