ヤマト、アマゾン向け値上げ合意 4割超で
皆さん、こんにちは。9月28日の日経新聞に次のような記事が掲載されていました。
「宅配最大手のヤマト運輸がインターネット通販最大手の米アマゾン・ドット・コムとの運賃交渉で値上げすることで大筋合意したことが27日、わかった。値上げ幅は4割超となるもようだ。ネット通販の利用者急増で、人手が足りない物流が成長の足かせになりつつある。ネット通販の成長と消費者の利便性維持を両立するために、物流会社、荷主、消費者の間で物流コストを再配分する動きが本格化してきた。
国内のネット通販など電子商取引市場は2016年で15兆1300億円と11年比で8割増えた。トラック運送による国内の宅配便の取扱個数も16年度で39億7700万個と11年度比で約2割増え、うちヤマトのシェアは約5割に上る。佐川急便や日本郵便も値上げの方針を打ち出す中、ヤマトとアマゾンの交渉結果が影響を与えそうだ。
アマゾンはヤマトの最大の取引先で、ヤマトが年間に取り扱う荷物のうち1~2割を占める。ヤマトのアマゾン向けの運賃は全体平均の半分の280円前後とされる。両社は値上げすることで大筋合意し、400円台以上とする方向で最終調整している。値上げ幅は少なくとも4割超になる。
ヤマトは10月1日に宅配便の個人向け料金(基本運賃)を荷物1個当たり140~180円(平均15%)引き上げる。割引契約を結ぶ大口顧客1000社とも9月末までの合意を目指して値上げ交渉を進めており、このうち7~8割と合意したもようだ。ヤマトは値上げで得た原資を従業員の負担を軽減するため、宅配ロッカーの設置拡大といった投資に回す。28日に発表する中期経営計画に具体策を盛り込む。
ヤマトは値上げを通じ、全体で取り扱う荷物数を減らす「総量抑制」も当面、継続する。従来計画では19年度に20億個を取り扱う計画だったが1億個程度少ない19億個台に下方修正する。」
アマゾンさんとの交渉はうまくいったようですね。
とういうか、国内の物流業者で値上げ前の金額で仕事を請け負う業者はほぼいないでしょうから、アマゾンさんもヤマト運輸さんからの要望を受けざるを得なかったでしょう。
これから、ヤマト運輸さんに続いて国内のその他の業者さんたちも値上げの方向に向かっていかれるようです。
物流業界に身を置く私達からすれば非常にありがたい傾向ではあるのですが、消費者からすると家計を圧迫する理由が一つ増えてしまったのかもしれません。
しかし、今までの金額が異常なわけで今回の値上後の金額が高いかというと決してそうではないと私は思います。
今までの金額ですと、配達員に無理をさせないと利益が出ないような状態で、いわゆるブラックな状態でした。
それを打開するべく値上げに踏み切ったということですから、非常に良いことだと考えるべきではないでしょうか。
前にも述べたと思いますが、一箇所に負担を強いるのではなく社会全体で負担を分散させるような形を取るべきです。
今回の値上げも、ただ単純に金額が上がったから困ると考えるのではなく、その先にある意味を消費者がよく理解していくことが非常に重要なのではないでしょうか。